1997年のSF映画、「ガタカ」。
あまり有名ではないですが、評価の高い作品です。
そんなガタカのネタバレをまとめました。
ガタカのネタバレ
ヴィンセントの誕生
優秀な遺伝子を選別して、子供を誕生させるようになった近未来の世界。
ヴィンセントの父と母は昔ながらの方法でヴィンセントを産む。
化学が発達した世界では、生まれた瞬間に、身体的疾患、精神的疾患、病気、更には寿命までが遺伝子で分かってしまう。
ヴィンセントの体の弱さを見て、現実を突き付けられた両親は、優秀な遺伝子を選んで、弟のアントンを産みだすことに。
成長するにつれて、なんでもヴィンセントを追い越していくアントン。
一方で、ヴィンセントは両親に無理と言われながらも、宇宙飛行士になりたいという夢を持ち続けていた。
ヴィンセントとアントンは子供の頃から、
海で、沖に向ってどこまで行けるかを競う肝試しをしていた。
何度やってもアントンに勝てないヴィンセントだったが、ある日、ヴィンセントが勝ち、アントンは溺れる。
溺れるアントンをヴィンセントは助けてあげたのだった。
家出するヴィンセント
ヴィンセントは家を出ることを決意。
家を出た後は、様々な職を転々とした。
宇宙飛行士養成所の「ガタカ」では、清掃員として働いた。
職業ですら、遺伝子で決まるのだ。
屋根の上を掃除しながら、宇宙に行くロケットを見たりした。
闇の契約
宇宙飛行士への夢が捨てられないヴィンセントは、とある情報筋からDNAブローカーに会いに行く。
そこで紹介されたのは、ジェローム・モロー(ジュード・ロウ)だった。
完璧な遺伝子を持つジェロームは、元水泳選手で銀メダルの保有者。
事故で歩けなくなり、車椅子生活をしていた。
ジェロームなら、宇宙飛行士にだってなんだってなれる、とDNAブローカーに言われるままに、ジェロームと契約することに。
ジェロームは血液サンプル、尿、髪の毛などと遺伝子検査に必要なサンプルを提供する代わりに、ヴィンセントがジェロームの生活を負担するのだ。
どうしても身長が足りなかったヴィンセントは、DNAブローカーに骨を伸ばす手術を勧められる。
「絶対いやだ!」というヴィンセントだったが、ジェロームに「君の覚悟はそんなものだったのか?」と言われ、手術を受けることに。
ヴィンセント、ガタカに入局する
ジェロームの助けもあり、ヴィンセントは「ガタカ」の社員になり、宇宙に行く候補生になった。
「ガタカ」に入るには、エントランスで血液検査が必要だが、ヴィンセントは指先にジェロームの血液を仕込み、しのいでいた。
医者にもバレず、順調にこなしていたが、ある日事件が起きる。
殺人事件が起きる
一度、正体を見破られかけた上司が、ある日突然死んだ。
「ガタカ」内部の部屋で、殴られ殺されていたのだ。
捜査の過程で犯人とされるマツ毛が見つかる。
遺伝子解析によると、それは”ヴィンセント”のものだった。
「清掃員だった男が戻ってきて殺人を?」
と、他の警察は否定したが、若い警察官の男は、捜査を強行に勧める。
ガタカ内にヴィンセントの昔の写真が「指名手配」として張り出された。
ヴィンセントは自分に捜査の手が及ぶことを恐れる。
ヴィンセントの恋
ヴィンセントは同僚の女性、アイリーン(ユマ・サーマン)と度々話をするようになる。
ある日、アイリーンとデートに行ったヴィンセント。
アイリーンに「見せたいものがある」と言われる。
アイリーンは車が高速で通りすぎる道を簡単に渡るが、ヴィンセントは視力が悪いため、中々渡れなかった。
2人でバーに出掛けた時、捜査員が踏み込んでくる。
「誰もそこを動くな!」
アイリーンに正体がバレる
裏口から逃げたアイリーンとヴィンセント。
裏口で捜査員が待ち構えていたが、ヴィンセントは殴り倒して逃げる。
近くに身を潜めるヴィンセントとアイリーン。
若い警察官が「ヴィンセントー!」と叫ぶ。
アイリーンは「あなたは誰なの?」とヴィンセントに問う。
その晩、2人は結ばれる。
ヴィンセントのピンチ
翌朝、ヴィンセントは海でいつものように体のアカや抜け毛を洗い落とした。
アイリーンは起きていたが、気づかないフリをした。
学校に行くと、若い警察官が来ていた。
ヴィンセントの危険を察知したアイリーンは「帰ったら?」とヴィンセントに言う。
警察官の姿を見たヴィンセントは、家に帰る。
急いでジェロームに電話し、「捜査員が行くから、本人のフリをしてくれ。病気のフリを」と頼む。
ジェロームは、車椅子をおり、腕だけの力で階段を登る。
ソファに座り、健常者のフリをしてアイリーンと警察官を迎えた。
若い警察官は、ジェロームの静脈から血液を採取。
正真正銘の「ジェローム」であることがわかると、悔しそうな顔をした。
若い警察官が帰った。
家を出ていくアイリーンをヴィンセントは呼び止め、正体を告白する。
ヴィンセント「俺の名前はヴィンセント。不適正者とでもなんとでも読んでくれ」
アイリーン「神の子なの?」
ヴィンセント「僕の心臓は爆弾を抱えてる。寿命をとっくに超えてるがまだ生きてる」
「欠点を探すのに必死で気づかなかったろ?」
「可能なんだよ」
犯人は?
ベテランの警察官が若い警察官を迎えた。
そこに待っていたのはガタカの局長だった。
「被害者の目から彼(局長)の唾液がでました。」
若い警察官「マツ毛の男は関係なかったのか?」
局長はロケットの打ち上げ決行のために、邪魔者を排除したのだ。
これを逃すと、次の打ち上げは70年後だから、と。
打ち上げが確定したから、スラスラと供述を始めた。
若い警察官は落胆する。
再会
ヴィンセントは「警察はどんな男だ?」とジェロームに尋ねる。
「また来るだろうから、会わないと、と」
ガタカに行くと、若い警察官が待ち構えていた。
なんと、若い警察官は、ヴィンセントの弟、アントンだった。
アントン「驚いたよ。両親は君が死んだと思っていた」
「弟を忘れたのか?」
ヴィンセント「ここで何してる?」
兄を救いたい、というアントンに、ヴィンセントは言い返す。
「僕が何ができるか、何ができないかを決めつけるな!」
「僕に救われたことをどう説明する?」
アントン「無茶しただけだ」
2人は決着をつけるために、子供の頃のように、海で肝試しをする。
沖までどんどん泳いでいくヴィンセント。
もう辞めよう、というアントンだったが「あと少しで反対側につく」とヴィンセントは諦めない。
アントン「2人とも死ぬぞ」
ヴィンセント「あの時と同じだ。戻ることを考えずに全力で泳いだんだ」
溺れるアントンを、ヴィンセントはまたも助けた。
別れ
ヴィンセントは、アイリーンといた。
「道路を渡った時、見えなかったのね。どの道渡れたけど」
ヴィンセントは髪の毛を抜いてアイリーンに渡す。
「調べたければ調べて」と。
アイリーンは「風に飛ばされた」といって髪の毛を捨てる。
ヴィンセントは出発の日にジェロームの家に行く。
ジェロームは、一生分のサンプルを用意していた。
ヴィンセント「なんでこんなこと?」
ジェローム「戻った時にこれがいないと困るだろ」
ヴィンセント「どこに行く?」
ジェローム「旅にでる」
ヴィンセント「本当にありがとう」
ジェローム「こちらこそありがとう、体を貸す代わりに夢を見せてくれた」
ジェロームは、最後に「宇宙で読んで」と手紙をヴィンセントに渡す。
最後の試練
宇宙船に乗り込む前にいつもの尿検査があった。
躊躇するヴィンセントに、検査員(もしくは医者)が話しかける。
「息子が君のファンでね」
「ここに応募を」
「残念ながら遺伝子に問題があって。でも希望はある。だろ?」
尿検査の結果は、不適正だった。
が、検査員は
「将来の参考用に。」
「右ききの人間は左手で持たないもんだ」といい、不適正を適正に修正した。
「フライトに遅れるぞ、ヴィンセント」
検査員は、最後に彼をヴィンセントと呼んだのだった。
宇宙に行く
ヴィンセントは宇宙船に乗り込む。
ジェロームは、焼却炉に入る。
ジェロームは銀メダルを抱きながら、燃え盛る炎の中で亡くなった。
ヴィンセントが宇宙船内でジェロームの手紙を開くと、そこに入っていたのは髪の毛だった。
「地球には居場所がないと思っていたのに、去るのがつらいと感じていることを告白しなければならない」
「人間は宇宙の塵から生まれたという。僕は去るのではなく、家に帰るのかもしれない。」
ガタカのネタバレ!犯人は誰?
ヴィンセントに疑いの目をもっていた上司を殺したのは、局長でした。
あまり詳しく語られていませんが、「ロケット打ち上げ」に反対されていたのかな?と。
今回の打ち上げがなくなると、次は70年後になるので、局長は何としてでも決行したかったんですね。
ヴィンセントは映画の途中では身の潔白を主張しなかったので、
「ヴィンセントがやったんじゃないか?」という視聴者は持ちます。
警察官も「データでは暴力的な傾向がある」と言っていました。
でも結局はヴィンセントではなく。
遺伝子データで「暴力的」と出ていても、必ずそうなるわけではない、という示唆を感じました。
データで出たって、それはあくまでも「傾向」。事実とは異なるんですね。
このことはこの映画全体で主張されていることでもあると思います。
ジェロームの自殺の理由は?
ジェロームは最後に自殺を選びました。
理由はいくつかあります。
ジェロームは自殺願望があったから
水泳選手で銀メダリストのジェローム。
最高の遺伝子を保有していましたが、金メダルが取れないという苦悩を抱えていました。
「シラフだったのに自ら車の前に出た」と、自殺未遂の果てに歩けなくなったことを告白していましたし、ずっとこの願望を持ち続けていたのでしょう。
夢はヴィンセントに託されたから
ジェロームは自分の遺伝子から自分が「金メダルを取るべき人間」だと考えていました。
が、結果が伴わず。
ヴィンセントと出会い、血液サンプルなどを提供する中で、ジェロームの持つ遺伝子の優位性が最大限に力を発揮します。
ヴィンセントが宇宙に行くことでその夢は叶えられたのです。
目標を達成する、というジェロームの夢をヴィンセントが変わりに叶えてくれたと言えます。
もう必要がないと感じたから
宇宙に行けることになったヴィンセント。
ジェロームの可能性や夢はヴィンセントに託されました。
ジェロームはもう自分の夢は達成された、もう必要とされていないと感じ、
ジェロームはずっと延期していた自殺を決行することを決意しました。
ヴィンセントのために、一生分のサンプルを用意して。
まとめ
すごく良い映画でした。
これまで見てなかったのを後悔しました^^;
色々考えさせられる映画です。
「人間の運命は遺伝子だけでは決まらない」というようなセリフが印象に残りました。
火事場の馬鹿力、といいますが、意志の力によって、通常の力を凌ぐことをやってのける可能性が人間にはあるのだ、ということを映画から強く感じました。