ネットフリックスで配信している「1人の夫と3人の妻」。
ユタ州の一夫多妻の家族を追ったドキュメンタリーです。
あらすじと感想をまとめました。
1人の夫と3人の妻(ネットフリックス)のあらすじ
ユタ州の砂漠地帯、ロックランドランチ。
14家族が暮らすこのコミュニティでは半分の家庭が一夫多妻を実践している。
彼らはモルモン教原理主義。
一般的なモルモン教徒と原理主義者の違いは、原理主義者が「多妻婚が天国への道」だと考えている点だ。
1970年代、ボブ・フォスターが批判を逃れて、砂漠地帯にコミュニティを作ったのがロックランドランチの始まり。
40年後の現代。ボブの息子、エノクがコミュニティのリーダー的存在。
エノクには2人の妻と16人の子供達がいるが、3人目の妻として迎え入れることを視野にいれて、若い女性と交際を始めた…
1人の夫と3人の妻(ネットフリックス)の感想
現代の一夫多妻の家庭を追った貴重なドキュメンタリーです。
以前ビッグラブという一夫多妻をテーマにした海外ドラマを見ていたのですが、現実がドラマと近くて驚きました。
ドラマは現実に忠実に描かれていたんだな~と。
一夫多妻で一つのファミリーであると考えるため、妻達は協力して子供の世話をしたりします。
家が妻ごとにわかれていて、夫は毎晩異なる妻の元に行って眠る仕組みです。
妻達は明るいですが、完全に割り切っているわけではありません。
特に新たな妻を迎え入れた直後は、以前からの妻も、新しい妻も精神不安定になります。
こういう部分を見ると、一夫多妻が良いものとは思えないし、主義、信念で割り切れない、人間の本能的な部分で、複数の女性と1人の男性をシェアするのは難しいということがわかります。
エノクの新しい妻候補は25歳のリディア・ローズという女性。
トライアル?でロックランドランチに連れてきて、家族と交流させます。
家族の前でもリディアといちゃつくエノク。
すでに16人も子供がいるおっさんが、25歳のギャルと恋愛、って普通なら到底考えられませんよね…
やっぱりこの部分は違和感を感じてしまいましたね。
しかも、妻は美人ばかりなことに驚きました。
「夫にとっては新鮮な関係」
「夫が新しい恋愛をしているのを見るのは辛いわ」
とエノクの妻も語り…
リディアも思うところがあったようで嫁に来るのは一旦保留になりました。
あと一つ、エイベル・モリソンの家族も感情的な軋轢があるようで…
2番目の妻スージーと3番めの妻マリーナの仲が悪くなっていました。
スージーとエイベルがデートで外出している時、マリーナが意地悪なメールを送り、邪魔してきたのです。
この行為にスージーが怒りました。
最終的に話し合いで解決しましたが、2人の溝は深いようです。
一夫多妻は男にとってのみ得であるように感じました。
結婚後も恋愛できて、若い嫁をもらうこともできる。
大所帯を養わないといけないというプレッシャーはありますが、エイベルの妻達も働いているんですよね。
経済的に男に頼りっきりというわけではないので…
ただ、一夫多妻の良いところも少し見えました。
例えばエイベルと喧嘩したスージーが泣いていると、最初の妻が心配して声をかけにきました。
普通ならこういう時は一人で耐えるか、時間を置いてから友人、親に相談することになります。
辛い時に大人の女性にすぐ相談できるという環境は少し魅力的に映りました。
うまくいけば、女性同士でタッグを組んで一つの大きなファミリーになっていけるのかもしれません。
ストーリーの後半ではユタ州で重婚は罪であるという法案が通りそうになり、エノク達は抗議集会に出掛けていました。
反対するアメリカの国民の声として
「幼い頃からその環境にいるから洗脳されているのよ」
「一夫多妻では妻が虐待されている」
などと言われていました。
ドキュメンタリーを見ていると自ら望んで納得して一夫多妻の家族に加った女性達ばかりのようでしたので、虐待はないように思いましたが、ユタ州には一夫多妻を実践する人が1,000人ほどいるそうなので、中にはそういう人もいるのかもしれません。
興味深いテーマで、見ごたえのあるドキュメンタリーでした。