「kizu 傷」はゴーンガールの原作者ギリアン・フリンのデビュー作のドラマ化です。
話の流れの中に、主人公の過去の記憶の映像が交錯するという斬新な映像表現に引き込まれる作品でした。
犯人は誰なのか?を探るサスペンスなので、気になって一気に最後まで見てしまいました。
※以下、真犯人のネタバレはしないように書いています。
kizu-傷-の概要
原題:Sharp Objects
主演:エイミー・アダムス
監督:ジャン=マルク・ヴァレ(ビッグリトルライズでエミー賞監督賞を受賞)
原作:ギリアン・フリン(ゴーンガールの作者)
製作:HBO
5度アカデミー賞にノミネートされた実力派の女優、エイミー・アダムス主演のドラマ。
kizu-傷-のあらすじ
ミズーリ州セントルイスで新聞記者として働くカミール(エイミーアダムス)。
故郷のウィンド・ギャップで少女行方不明事件が起き、現地に行き取材するように編集長に命じられる。
故郷に忌まわしい記憶があるカミールは一度は断るが、説得され、渋々取材を引き受けることに。
実家には、母と再婚相手、異父姉妹の妹アマが暮らしていた。
アマは生意気なティーンネイジャーに成長していた。
人口の少ないウィンドギャップでは噂がすぐに広がる。
カミールが帰省したこともすでに街中に広がっているほどだった。
高校時代と変わらない同級生の様子に辟易するカミール。
目に入るすべてのものがカミールの忌まわしい記憶を呼び起こす。
そんな中で、カミールは少女の遺体発見現場に居合わせることに。
kizu-傷-の感想!ネタバレあり
エイミー・アダムス主演の「kizu-傷-」。
Amazon Prime Videoで配信されています。
中々濃厚な人間ドラマで、誰が犯人なのかが気になって一気に見てしまいました。
8話完結ですが、1話が50分ずつと長めです。
何の説明もなく、主人公の過去のフラッシュバックがバババッと流れます。
この映像表現が新しくも感じるのですが、同時にわかりづらくもあります。
グロい描写もありますし。
監督はビッグリトルライズの監督ということで納得です。あの作品もそういう編集されていたので。
まぁでもビッグリトルライズの方がまだ映像が分かりやすかったです。
エイミーアダムスの演技
ハリウッド女優のエイミーアダムスが主演というのが見る気になった理由です。
ノクターナルアニマルズなど、エイミーアダムスのミステリアスな演技が好きなので。
今回は自傷癖がある、アルコール依存の痛々しい女性を演じていました。
特に違和感なく、さすがの演技でした。
妹がビッチ
登場人物の中でも妹のアマがインパクトがありました。
めちゃめちゃ生意気なティーンネイジャーで、年の離れた姉のことも挑発します。
顔はすごくかわいいわけじゃないけど、時々すごくかわいく、魅力的に見える。
ティーンネイジャーの透明感と危うさが良く出ていました。
演じていたのは、Eliza Scanlenというオーストラリア人の女優。

画像:https://www.thewrap.com/sharp-objects-eliza-scanlen-exclusive-portraits-photos/
まだまだ無名ですが、迫真の演技がすごかったです。今後の活躍が楽しみです。
息が詰まる街、ウィンドギャップ
人口が少なく、住人同士もずっと昔から知り合いだというような街です。
アマはこんな退屈な街を早く出たいと願っています。
高校時代から変わっていない人間関係。
女達は噂話ばかり、結婚して所帯を持つのが正解だと、一面的な価値観を押し付けてくる。
日本の田舎でもよくある風景。
どこの国も田舎の人間って変わらないんだな、と思いました…
カミールの過去の問題について
カミールの忌まわしい記憶がフラッシュバックします。
カミールの精神を破壊した事件です。
はっきりとは語られませんが、映像からすると、高校時代にチアリーダーをしていた時に、森でフットボール選手の男達にレイプされたようです。
こういう事件ってアメリカで実際に起きているので、悲しいですね。
その男達は誰なんだ?と思っていましたが、話の中で成長したその男達が出てきます。
被害者の少女の父親がその男だったことがわかり、驚きました。
「自分に娘ができてわかった。どんなにひどいことしたかって」などと謝ってきました。
カミールは「忘れましょ。」と言います。
カミールにとっては絶対に忘れられない出来事なのに…
大人になり記者という仕事に就いても、過去の傷に触れることは難しい。対峙することは難しい。
この件については、はっきりとは解決しなかったので、ちょっとすっきりしない結末でした。
表現がグロい
さすがHBOさん製作なので、描写が赤裸々です。
カミールが自傷するシーンや、死体の写真も映ります。
セクシーな場面もありますね。
気持ち悪いところは見ないようにして凌げば大丈夫です。
ラスト
事件の真相に近づくのは7話くらいからなので、ちょっとそれまでが長く感じました。
ナタリーの兄、ジョンが犯人じゃないのか?と登場人物も疑います。
ジョン自身も否定しているし、違うだろう。というところで、真犯人が見つかります。
しかし、最後にはあっと驚く展開が!
これは予想してなかったー!と思うと同時に、これまでの話の流れを振り返り、この人ならやりかねない、と思った納得のラストなのでした。
面白かったですが、見るのに疲れたドラマでした。。
傷-kizu-はAmazon Prime Videoで見ることができます。
※現時点での情報なので、詳しくは公式サイトをご確認ください。